2015年 06月 01日
2015年6.7月号 621号 |
沖縄スタディツアーを終えて ~アクションにつながる学びを~
青少年小委員会 新倉春美
名古屋YWCA青少年小委員会では2015年3月29日~31日に沖縄スタディツアーを開催し、6名の高校生・大学生のユースが参加した。これまでも、米軍基地が集中している沖縄の現状に焦点を当ててプログラムを開催してきたが、今回のスタディツアーはユース自身が沖縄の歴史や基地問題について直接現場を見て学び、自分たちでアクションを起こすための貴重な機会となった。
スタディツアーの1日目は、佐喜眞美術館にて丸木位里・俊による『沖縄戦の図』などの作品を鑑賞した後、沖縄キリスト教学院大学にて、同大学の沖縄キリスト教平和研究所コーディネーターである金井創牧師から沖縄の基地問題や市民による平和運動の現状について講演をしていただいた。ユースたちは非暴力による平和運動の在り方に強く共感していた。
その日の夜には平和活動に取り組む学生団体「チーム琉球」に所属する学生のみなさんと交流を行った。ユースにとっては、沖縄の同世代の学生たちがどんな思いを持っているのか知り、お互いに意見交換をする貴重な場となった。
2日目には金井牧師の船に乗せていただき、辺野古の海を見学した。辺野古の海には海上保安庁の船や警備船がたくさんおり、私たちの乗った船にも海上保安庁のボートが常について来ていた。平和運動に取り組んでいる市民が乗ったカヌーが海上保安庁に確保される様子や、数十トンもの重量のコンクリートブロックがサンゴ礁の上に置かれたりしている光景も目の当りにし、ユースたちは衝撃を受けたようだった。一方で、船上からは美しいサンゴや魚の姿が見え、辺野古の環境を守ることの重要性も再認識できた。また、辺野古では事前学習会の際にみんなで作成したバナーを掲げた。
この日は高江も訪問し、オスプレイやヘリパッドの建設に反対する市民の方々からお話を聞いた。生物多様性の宝庫である故郷の自然を守りたい、たとえ間接的であっても戦争に加担したくない、という強い思いを受け取ることができた。
3日目には「道の駅かでな」にて嘉手納基地から飛び立つ戦闘機を見学した。ユースたちは戦闘機の騒音や基地の周りに多くの住宅があることに驚いていた。また、琉球大学の山口剛史先生の案内で沖縄平和祈念資料館と首里城の下ある第32軍司令部跡地も見学した。山口先生にはどのような視点で展示物を見たら良いか解説していただいた。最終日ということもあり、ユースからもたくさんの質問が出て活発な学びの場が持てた。
今回のスタディツアーで特に重視した部分は、おとなが知識を教えるのではなく、ユースの力を信じて共に学ぶことである。現場を見たり現地の人々の声を聴くことでユースたちは刺激され、自分にできることを考え、アクションを起こそうとしている。彼らの活動は必ず社会に還元されると信じているし、私たち青少年小委員会の委員は彼らをサポートし続けるつもりである。
最後に、スタディツアー開催のためにご支援・ご協力いただいた寄付者・関係者のみなさま、ありがとうございました。
名古屋YWCA
青少年小委員会 新倉春美
名古屋YWCA青少年小委員会では2015年3月29日~31日に沖縄スタディツアーを開催し、6名の高校生・大学生のユースが参加した。これまでも、米軍基地が集中している沖縄の現状に焦点を当ててプログラムを開催してきたが、今回のスタディツアーはユース自身が沖縄の歴史や基地問題について直接現場を見て学び、自分たちでアクションを起こすための貴重な機会となった。
スタディツアーの1日目は、佐喜眞美術館にて丸木位里・俊による『沖縄戦の図』などの作品を鑑賞した後、沖縄キリスト教学院大学にて、同大学の沖縄キリスト教平和研究所コーディネーターである金井創牧師から沖縄の基地問題や市民による平和運動の現状について講演をしていただいた。ユースたちは非暴力による平和運動の在り方に強く共感していた。
その日の夜には平和活動に取り組む学生団体「チーム琉球」に所属する学生のみなさんと交流を行った。ユースにとっては、沖縄の同世代の学生たちがどんな思いを持っているのか知り、お互いに意見交換をする貴重な場となった。
2日目には金井牧師の船に乗せていただき、辺野古の海を見学した。辺野古の海には海上保安庁の船や警備船がたくさんおり、私たちの乗った船にも海上保安庁のボートが常について来ていた。平和運動に取り組んでいる市民が乗ったカヌーが海上保安庁に確保される様子や、数十トンもの重量のコンクリートブロックがサンゴ礁の上に置かれたりしている光景も目の当りにし、ユースたちは衝撃を受けたようだった。一方で、船上からは美しいサンゴや魚の姿が見え、辺野古の環境を守ることの重要性も再認識できた。また、辺野古では事前学習会の際にみんなで作成したバナーを掲げた。
この日は高江も訪問し、オスプレイやヘリパッドの建設に反対する市民の方々からお話を聞いた。生物多様性の宝庫である故郷の自然を守りたい、たとえ間接的であっても戦争に加担したくない、という強い思いを受け取ることができた。
3日目には「道の駅かでな」にて嘉手納基地から飛び立つ戦闘機を見学した。ユースたちは戦闘機の騒音や基地の周りに多くの住宅があることに驚いていた。また、琉球大学の山口剛史先生の案内で沖縄平和祈念資料館と首里城の下ある第32軍司令部跡地も見学した。山口先生にはどのような視点で展示物を見たら良いか解説していただいた。最終日ということもあり、ユースからもたくさんの質問が出て活発な学びの場が持てた。
今回のスタディツアーで特に重視した部分は、おとなが知識を教えるのではなく、ユースの力を信じて共に学ぶことである。現場を見たり現地の人々の声を聴くことでユースたちは刺激され、自分にできることを考え、アクションを起こそうとしている。彼らの活動は必ず社会に還元されると信じているし、私たち青少年小委員会の委員は彼らをサポートし続けるつもりである。
最後に、スタディツアー開催のためにご支援・ご協力いただいた寄付者・関係者のみなさま、ありがとうございました。
名古屋YWCA
by nagoya_y_koho
| 2015-06-01 14:17